菊池 遼
菊池遼は20世紀哲学と禅の思想に通じ、作品をとおして人間の精神における知覚と機能を反映させています。彼は多様な絵画的 技法を用い、現実に対する一般的な認識と構造に対する思考を揺さぶるオブジェクトを作り出します。「Umbilical」では、われわれのアイデンティティと意味の生産にとって決定 的な「分離」と「差異」のメカニズムを強調する一方で、作品の「分離した」3つのパートを再び一つのユニットへと繋げる可能性をも保っています。また、「Void」シリーズが提示するのは、ぼやけた風景あるいは対象です。しかしそこで対象は近づいて見ることを求めなが らも、鑑賞者が作品に近づいていくと多数のドットの列へと「消えて」しまい、はっきりとした視覚を得られる距離への可能性を完全に排除し て「Void/空」を開くのです。